文学生のふんわり金魚日記

文学院進という片道切符を選んでしまったへなちょこ女子大生がふんわり頑張る日記です。文学の中を泳ぎ回れるようになりたい。

文系院生の就活について―サマーインターン編

 

学問を愛する文系学生たちが文系院進をためらう(おそらく)最大の理由、それはおそらく就活でしょう。

理系であれば院進は当然のものとして認識されていますが、文系はそれとはまったく様相が違います。

たいして「お金になる」専門性を身に付けてないくせに給料ばっかり修士卒水準払わなきゃいけないし、歳は食ってるし、そもそも何やってるか全然わかんないし…どうせ金持ちの道楽でしょ?もしくはモラトリアムを延長しただけでしょ?

社会の文系院生に対するイメージはやや極端に言えばこんなかんじです。

これを踏まえると就活も少なからずしんどいことになることは容易に想像できます。

しかしはたして実際はどの程度、どういうところで苦労するのか…?

実際に就活をしている一人の文系院生として、この夏までに感じたことを記録しておきます。

 

 

「文系院」という環境そのものが罠

入学してまず私が気付いたのは、文系の院(特に人文学系)という環境そのものが就活に向いていない、ということ。

私の所属する人文学系の研究科は、学部からの進学率は低いものの、修士課程から博士課程への進学率は5割を越えます。

これはどういうことかというと、「院進してまで人文学をやろうとする人間は、最初から研究職まで視野に入れて腹をくくっている場合が多い」ということです。

びっくりするほど就職しようとする人間が少ない。

それに加え、就職希望の残りの5割も、半分は教員志望、4分の1は国家公務員志望。

つまり、一般的な民間就職を希望する学生は、研究科全体の1割強しかいないのです。

 

このような環境によって何がもたらされるか。

ずばり、「就活のやり方・ペース感がわからない」という現象です。

まわりに就活に励む学生がいないため、どのようなスピード感で、どのような準備をしていけばいいのか分からないまま、研究に追われているうちに就活本番に突入してしまう、という悲劇が起こりやすくなっているのです。

私の先輩も就活で苦戦していたのですが、やはりこの点に苦しんでいる印象を受けました。

 

この現実を目の当たりにして私は焦りました。

「一刻も早く外部の『意識高い系』のみなさんと接触しなきゃ!」

 

5月から7月頭にかけて、研究の間を縫ってgood find主催のセミナーに参加するなどするとともに、サマーインターンに向けてESを書くなどしました。

セミナーやインターンで学ぶ中身も重要ですが、それ以前に「研究科の外」に住む人たちに会うことが文系院生にとっては重要なのです。

 

インターン選考はそこそこ通る

今回私は10社強程度サマーインターンにエントリーしたのですが、結論から言えば、思っていたよりだいぶいいカンジに選考を突破できました。

辞退したところも含めると半分くらい通ったのかな。

自分の研究や勉強を通して日々感じていることなど、いわゆる「人文学的な思考」をESでも面接でもチラ見せするようにしていたのですが、それをなかなかおもしろがってもらえたのが勝因だったんじゃないかなと思います。

特にコンサル系はだいぶ打率がよかったです。

論理の組み立て方とか視点とかを評価してくれたんでしょうか。

一応何本もレポートを書いたり論文を読んだりして生きているので、論理性や思考の深さみたいなところは一般的な学部生よりはイケてるのかもしれません…(希望的観測)

 

その一方で、ESでばっさり切ってくる企業もありました。

ESの内容自体のクオリティには我ながらそこそこ自信があったのですが、ごりごりIT系のとこでは切られちゃいましたね…

もしかしたら「文系院生」の時点でアウトだったのかもしれないな…と。

 

コンサル業界は最近人文学に興味があるらしい

そんな選考を経て、日系のいくつかのコンサル会社のインターンに参加したのですが、どこに行っても当然「文系院生」はド・マイノリティ。(というかコンサルに限らず、この夏の就活で文系院生に会ったことないです) 

さらに、企業によっては学部生すらほとんどおらず、まわりは東大はじめとする旧帝や早慶の理系院生だらけ。

「コワ…… ロジック&サイエンスの世界…...」と圧倒されます。

 

しかしどのコンサル会社でも同様に、社員さんから以下のようなことを言われました。

「論理性だけの、いわゆるlogical monsterみたいなコンサルタントは近年求められなくなってきている。そういうのはAIでもできてしまうから。じゃあどんなコンサルタントが求められるかというと、論理性を前提としつつも、人間に向き合える人・人たらしの人なんじゃないか。そういう点で、次にコンサルタントの主流になるのは文学とか哲学とか、『人間』を研究してきたひとなのかもしれない」

マアもちろん私に対するポジショントークという側面も多少なりともあるとは思うのですが、それでもちょっとグッとくるお話でしたね。

案外私たち人文学徒は、この社会に必要とされているのかもしれません。

 

 

とりあえず今日はここまで。

明日も秋インターンの選考を控えているのでがんばってまいります。

 

タチバナ

 

 ↓私は学部生のとき同様この本で試験対策してました。研究が行き詰ったときにパズルを解く感覚で…

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